なぜ付録で書式がついていないのか

「要求を仕様化する技術、表現する技術」を読み終わったので、いざ自分の仕事で使ってみよう!
と意気込んだものの、本書で語られている「派生開発」や「要求仕様書」「要求TM(トレーサビリティマトリクス)」をExcelで作るのが面倒なので、サンプルがついてたらいいなぁと探したが見つからない。
「この手の本はなぜかサンプルがついてないんだよなぁ」と常々疑問に思っていたが、その疑問は著者のページを見て、「ついてないのは親心か?」と思えてきた。

「これまでの「標準化」の間違い」の「◆ 最初から教えれば済むか? ◆」の部分
http://homepage3.nifty.com/koha_hp/process/Proc.WhyStd.html

標準を教え込めば、その方法が通用する間はうまくいくが、
言語や設計方法が変わったら通用しなくなる。
そのとき、自在に「プロセスを設計する能力」がなければ行き詰る。

だから、サンプルのExcelファイルがついていない理由は、

特定の状況にしか通用しないサンプルを使わないで、自分で考えて組み立てて欲しい。そうやって「プロセスを設計する能力」を獲得するのが本当に価値のあることなんだよ

っていう著者の親心なのかも知れない。